
ハイデルベルク教会音楽大学合唱指揮科教授・安積道也先生から「教会音楽」について様々な視点から解説いただく好評セミナーの新シリーズが始まります!
この第7シリーズでは、オラトリオの名作であるヘンデル作曲《メサイア》を深掘り解説していただきます。
8月22日~24日に開催するワークショップ「福岡オラトリオ・アカデミー」の連動企画ですが、オンラインのみのご参加も大歓迎です。
※この講座は、講師が事前に録画した動画を動画配信サービスVimeoを使ってご覧いただきます。
《講師からメッセージ》
〜美しいだけでは終わらない、メサイアの裏側へようこそ〜
合唱の現場で絶大な人気を誇る《メサイア》。
「何度歌っても飽きない」「聴いていても心地よい」——そんな声をよく耳にします。確かに、ヘンデルの音楽は明快で、聴き手にも歌い手にも開かれた魅力があります。でも、その魅力の裏側にある“なぜ?”に、目を向けたことはありますか?
たとえば、有名な〈ハレルヤ〉は、なぜ作品の最後ではなく、第2部の終わりという中途半端な場所に置かれているのでしょう?
あるいは、全体のテキストを眺めても、「救世主(メサイア)イエスの生涯」を物語としてたどるような構造にはなっていません。これはどうしてでしょう?
実は《メサイア》のテキストは、旧約・新約聖書の断片を継ぎ合わせた「パッチワーク」構造をしています。詩編、預言書、福音書など、それぞれ個別な文脈をもつものを繋ぎ合わせて作られています。ですから、決してわかりやすいものではありません。さらに、テキスト構成の神学的考察、当時の宗教・政治・社会的文脈を知ることで、全く異なる作品像が立ち上がってきます。
この講座では、以下のようなトピックを扱います:
• 《メサイア》の構成と作曲経緯
• 作詞者ジェネンスの思想と、当時のイギリス国教会の事情
• 「教会」と「劇場」
• 聖書テキストの神学的背景
• 指揮者・歌い手・聴き手、それぞれの視点から読み解く《メサイア》
• その他
合唱愛好家として《メサイア》をもっと深く味わいたい方。
もう何十回も歌って、そろそろ、違った視点が欲しい方。
これから指揮者としてメサイアに挑む方。
ただただメサイアが好きで、もっと知識を深めたい方——
教会音楽を専門とする私の視点から、親しみやすく、時にマニアックに、でも誰でも楽しめるよう話をしていこうと思います。
あなたの《メサイア》体験が、これまでとは一味違うものになることを願っています。どうぞお楽しみに!(安積道也)
講座名 安積道也教会音楽講座7
「ヘンデル《メサイア》を深掘りする〜歌い手と指揮者のための“深めの”基礎知識〜」(全2回)
配信開始 2025年8月1日(金)午前10時 第1回、第2回同時配信開始
お申し込み期間 2025年8月31日(日)まで
動画視聴期間 2025年10月31日(金)まで
時間 各回とも約90分予定
受講料 2回通し
一般 6,000円(税込)
※各回の受講設定はございません。
※この講座は、講師が事前に録画した動画を動画配信サービスVimeoを使ってご覧いただきます。
安積道也(あずみ・みちや)
シュトゥットガルトおよびフライブルク音楽大学で教会音楽科A課程と合唱指揮科大学院を最優秀で修了。ドイツ国家資格・教会音楽家A級(最高位)取得。2004年、第1回バイロイト合唱指揮者コンクール優勝。合唱指揮をM.シュルト=イェンセン、D.クルツ、H.M.ボイエレ、オーケストラ指揮をS.サンドマイヤーに師事。
2009〜2019年、西南学院音楽主事を務め、オラトリオ作品に特化した「オラトリオ・アカデミー」を設立。全国で指揮・指導・講演活動を展開。教会音楽の理論と実践を専門とし、アカペラから大規模オラトリオまで幅広いレパートリーを持つ。元エリザベト音楽大学非常勤講師、キリスト教礼拝音楽学会元理事。
2020年よりハイデルベルク教会音楽大学合唱指揮科教授。指揮科責任者として教会音楽家の育成と合唱音楽の発展に尽力。大学室内合唱団を率い、マンハイム室内管弦楽団やラルパ・フェスタンテらと共演。「ハイデルベルク春の音楽祭」におけるバッハ《マタイ受難曲》など客演多数。毎年、プロジェクト・リーダーとして宗教音楽に関する音楽祭を音大で企画・演奏(2024年:八歌集Achtliederbuch出版500年/コラール・カンタータ300年記念事業など)。現在、同大学室内合唱団およびフィグラル・コーア・ノイエンハイム室内合唱団常任指揮者。
※この講座は、講師が事前に録画した動画を動画配信サービスVimeoを使ってご覧いただきます。視聴期間中、お好きな時間に何度でもご覧いただけます。
※お申込み後、受付完了メールがお手元に届きます。お申込み後、2日経ってもメールが届かない場合は、弊社までご連絡ください。携帯電話の迷惑メールフィルターの設定で、@choruscompany.com からのメールを「受信する」にしてください。
※動画のURLは、配信時間に改めてメールでご案内いたします。